糖尿病の原因と3大合併症の怖さ

生活習慣病の1つである糖尿病。これは血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が慢性的に高くなる病気です。食事から摂取した糖質は胃や腸で分解されてブドウ糖になります。このブドウ糖は身体を動かすためには欠かせない重要なエネルギーの1つで、すい臓から分泌されているインスリンというホルモンによって全身に運ばれます。そうやってエネルギーとして使われたり、使わなかったブドウ糖が脂肪として体に貯蔵されたりします。ですが、糖尿病になるとインスリンの働きが鈍くなり、高血糖の状態が続いてしまうのです。次第に血管や神経まで影響を及ぼし、身体にさまざまな障害を引き起こします。

糖尿病の3大合併症と呼ばれているのが、以下の3つです。

1.糖尿病神経障害

3つの中でもっとも早く起こり、早いうちから自覚症状が出始めるのがこの糖尿病神経障害。障害を起こす原因となるソルビトールという物質が生み出され、末梢神経の細胞に溜まることで引き起こされます。末梢神経にはいくつかの種類があり、自覚症状はそれぞれの神経ごとに異なります。

2.糖尿病網膜症

ブドウ糖が増えすぎることで網膜の毛細血管が損傷を受け、血管の詰まりや変形、出血を起こすことで発症します。自覚症状が出にくいのですが進行していくと徐々に見え方に違和感が出てきて、放置すると失明してしまう可能性もあります。

3.糖尿病腎症

高血糖が続くことで、腎臓にある糸球体という毛細血管が硬くなり、血液のろ過機能が低下する病気。老廃物や余分な水分が排出されずに身体に必要な物質が排出されてしまうのですが、こちらも初期の間は自覚症状が出ません。進行すると腎臓のはたらきが止まり、人工透析が必要になることもあります。

高血糖の状態が長く続くと、こういった合併症を引き起こしかねません。何か少しでも気になることがあれば、早めに病院で検査を受けることをおすすめします。病院は、総合内科のある病院へ行きましょう。総合内科は、専門科を特定できない諸症状の患者さんの窓口になったり、生活習慣病などの慢性疾患の初期診療の場として診療を行ってくれる場所です。

病院のホームページなどを見るとどういった処置を行ってもらえるかイメージしやすいかと思います。また、医療機関によっては糖尿病療養指導外来というものもあり、血糖値の測定方法や食事・運動のアドバイスなどを指導してもらえるようです。はじめのうちはほとんど自覚症状が出ないのが糖尿病の怖い部分でもあるので、血糖値が高いと診断されたら放置せずに対策することが大切です。気になるようであれば、お近くの総合内科を受診してみましょう。