超高齢化社会に必要とされる作業療法士という職業

医療に携わる人は大勢いますが、病気や怪我をしたことで身体に障害が起きてしまった患者さんにリハビリを行い、日常生活を送るための訓練や指導を行う人もいます。それが作業療法士という職業です。

作業療法士の仕事

理学療法士という職業の方が聞いたことがあるという人も多いと思いますが。理学療法士と作業療法士は異なります。理学療法士は「座る・立つ・歩く」という人間の基本動作へのリハビリを行うのに対し、作業療法士は調理動作や家事動作等、生活の中で必要な動作のリハビリを行います。より細かな生着に密着する動作のリハビリを行うのが作業療法士というと分かりやすいでしょうか。

また、作業療法士の就職先は、多岐にわたります。例えば、大学病院や一般病院、診療所をはじめとした医療機関。それだけでなく、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの介護施設。また、児童福祉法や障碍者施設など、幅広い活躍の場があります。

行う仕事は同じですが、対象者が変わるため、自分が作業療法士としてどんな活動をしたいのか、どんな人相手に仕事をしたいのかによって就職先を選びましょう。

作業療法士になるためには


そんな作業療法士は、当然ながら国家資格になります。作業療法士になるには、普通の学校に通い、独学で勉強するのでは、国家試験を受けることができません。専門学校などの養成機関に通い、国家試験を受ける必要があります。都道府県知事に指定された、専門学校を含む養成施設や、作業療法士を目指せる課程のある短大で3年以上、または養成課程のある大学の卒業資格を得ることで、作業療法士の国家試験の受験資格を獲得することが可能です。

作業療法士の国家試験の合格率は、80%前後を推移しています。難関ではありませんが、油断をしてしまうと不合格になってしまうことも十分に考えられる合格率です。国家試験に挑む方は、学校だけの勉強だけでなく、しっかりと自分で対策を行いましょう。

作業療法士は一時期、人材不足といわれていましたが、作業療法士を育成する学校も増えてきたこともあり、問題は解決してきたようです。

作業療法士を目指すなら専門学校

作業療法士を目指すなら、専門学校と大学どちらがいいんだろうかと迷う方もいるでしょう。作業療法士として実際に現場に出て、患者さんと関わりながら働きたい、という方は、専門学校がおすすめです。

専門学校は、実践的な知識と技術を身につけることができる環境が整っています。

そんな中でも、近年、卒業生の活躍と業界からの信頼により求人募集が増えているのがこちらのリハビリ専門学校です。様々な医療学科があるこちらの学校では、自分の所属する学科以外の他学科と一緒に勉強する機会を設けるなど、学生時代からチーム医療の雰囲気になれることができ、現場即戦力の作業療法士を育成しています。

作業療法士のやりがい


若い作業療法士が医療現場、または福祉の現場で大いに活躍しています。特にこれから超高齢化社会を迎える日本ではその需要も増していくことでしょう。これから作業療法士を目指す方は、実績があるのはもちろん、広い視野を養い、経験を積めるような学校を選ぶことでより患者さんに貢献できる作業療法士になれるはずです。

作業療法士のやりがいの一つは、患者さんの変化を身近に感じ、社会復帰に貢献できることです。リハビリを必要としている患者さんの中には、ケガや病気によって、身体の機能を損なってしまい、精神的にふさぎ込んでしまっている方も多くいます。そんな患者さんに寄り添って、身体の機能回復や維持のためのリハビリを行い、これからどう生きてくのか、という生きがいを一緒になって探すことも、役割の一つです。見つけた生きがいを全力で活動していけるようにリハビリを行うことで、精神的にも前向きになり、変化していく患者さんを見ることができるのは、大きなやりがいに繋がります。

患者さん一人一人に応じたリハビリテーションを創出し、その人の生活を成り立たせるための手伝いをするのが作業療法士です。今後、活躍の場は病院だけにとどまらず高齢者施設、家庭、療育と多岐にわたり、必要とされる職業です。将来性もある職業であると言えるでしょう。

手に職をつけられるだけでなく、多くの人と関わり、自分も学びながら成長していける魅力的な職業である作業療法士。医療系の職業を目指したい、という方は、ぜひ作業療法士についての理解を深め、将来目指すものの候補として考えてみてください。

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